厚生労働省難治性疾患克服研究事業

14番染色体父親性・母親性ダイソミーおよび類縁疾患の診断・治療指針作成に関する研究班

14番染色体母親性ダイソミー upd(14)mat および類縁疾患とは

病因・病態生理

14番染色体長腕の32.2領域に存在するインプリンティング遺伝子群の発現異常により生じます。 父親性発現遺伝子であるDLK1、RTL1遺伝子の発現消失が原因と考えられています。

発生頻度

これまでに約40症例ほどが報告されています。 本邦においては、Prader–Willi 症候群 (PWS)の症状を表現型を示したもの、遺伝子解析でPWSが否定された症例78例中6例において本疾患が同定されました。 未診断例が多く存在すると考えられています。

症状

胎児期

子宮内胎児発育遅延

出生後

成長障害
新生児期は正常範囲で、その後成長障害が著しくなる場合もあり
筋緊張低下
新生児期、乳児期に認められ、哺乳不良を伴う
思春期早発傾向
認めない場合もある
顔貌
前額部の突出、短い人中、高口蓋、小顎など
その他
くりかえす中耳炎、肥満の合併など

新生児期・乳児期の筋緊張低下、哺乳不良からPWSの鑑別診断となります。 発達遅滞は認めることもありますが、軽度のことが多いです。 過食、性腺機能不全は認めません。

本邦で同定された症例の臨床像
本邦で同定された症例の臨床像

症例12の成長曲線
症例12の成長曲線